Research 研究?产学官民连携
芸術工学研究院 デザインストラテジー部門
准教授 池田 美奈子
伝统工芸の衰退は现代の工业国に共通の课题となっています。伝统工芸が数百年にわたり受け継いできた知恵や技术、思想は地域文化の重要な部分ですが、高度な大量生产技术と便利さを追求する価値観を背景に、机能の面でも嗜好の面でも现代生活にそぐわなくなっています。そこに、人々が生活の中で培ってきた知恵と技术を、现代の実用品に継承し、生活文化として进化させる研究の必要性があると考えています。伝统工芸の技术と精神のエッセンスを把握し、それを后世に伝承することと、现代的な価値を持つデザイン创造の両立を可能にする方法を、职人やデザイナーなど地域の実践者と协働しながら探っています。
具体的な研究の例を一つご绍介します。300年以上の歴史を持つ福冈県朝仓郡の小石原焼のデザインプロジェクトでは、陶器生产の歴史、窑元の生计の立て方、工房経営、気候风土と素材、技术、さらに生产者の家族や価値観などについて何度も现地を访れて交流を重ね时间をかけて调査しました。また、作り手だけでなく、现代人の食事スタイル、食器の扱い方などの使い手侧の调査も行いました。
図1製陶技术の调査(作り手の调査)
図2食事中の振る舞いの调査(使い手の调査)
作り手、使い手、さらにそれらを取り巻く环境の総合的な调査に基づいてデザインしたのが下记の新しい食器のシリーズのプロトタイプです。
図3小石原焼の新しい食器シリーズのプロトタイプ(調査とコンセプト:池田研究室、デザイン:studio shirotani、制作:カネハ窯、早川窯、ヤマイチ窯)
デザインコンセプトは「タイムレスとシェア」としました。窑元には后継者がいることと手仕事による生产方式によって、世代を超えて同じ型の陶器を必要な时に必要な数量を生产,提供し続けられることから「タイムレス」というコンセプトを発想しています。また「シェア」は、村の共同体意识の强さと大人数で食卓を囲む习惯から着想し、现代生活に向けた豊かなライフスタイルを提案するコンセプトです。「シェア」のコンセプトを物理的に支えるのは、大きな陶器を生产できる技术であり、直径40センチの大皿をデザインしました。ろくろの技术を用いて别に作った円形の皿を4枚、または3枚つなぎ合わせて构成した形态は、叁种、または四种の料理を1枚の皿に盛り、料理を取り分けて楽しむ「シェア」の振る舞いを促しています。
図4食器シリーズの製品化
この他にも福冈県八女市に残る伝统工芸である八女福岛仏坛の技术を応用したカトラリーや八女石を使ったプロダクトデザインのプロジェクトなどにも取り组んでいます。伝统工芸を次代に受け継ぐためには実践的な研究が有効だと考えています。それには地域の実践者とのコラボレーションが欠かせません。
■お问い合わせ先
九州大学大学院芸术工学研究院 デザインストラテジー部门