Research 研究?产学官民连携
■応用知覚科学研究センター设置の背景
2013年4月,九州大学?芸術工学研究院にて,「応用知覚科学研究センター(Research Center for Applied Perceptual Science)」が発足しました。当センターでは,環境や物,情報を人がどのように受け取るのか,意識の先端に上る現象を,脳活動と関係付けることにより,脳と心の不即不離の関係を解明するような分野である「知覚科学」という学際的な領域の確立を目指し,分野の壁を越えた研究が迅速になされるように,さまざまな工夫をしています。
応用知覚科学研究センター设立记念シンポジウム「知覚と言语のあいだで」2013年4月1日
当センター设置の背景には,本研究院に,理学,工学,芸术などさまざまな分野の専门性を持った人材が集まっていること,さらには,知覚心理学および関连分野を専门とする研究者がまとまって活动していることがありました。センター长である中岛を含む何名かの研究者が,各地からとり寄せた材料に色々なスパイスを混ぜ合わせると新しい创作料理ができるように,この好奇心にあふれる研究者を统合すれば,これまでにできなかったことができるようになるのではないかと考えました。
当センターでは,学际的研究を広く迅速に行うために「フロンティア共有型研究システム」と名付ける新しい研究システムを导入しています。このシステムの特徴は,「文系」「理系」「基础研究」「応用研究」などの区别を撤廃することにあります。あちこちで试みられてはいるものの,なかなか実现しないことですが、当センターではメンバーを慎重に选ぶことによってこれを実现しています。すなわち、二つ以上の分野で雑誌论文あるいは特许のような研究者としての実绩を认められた者のみを集め(例:「数学と脳科学」「聴覚心理学と信号処理」「视覚心理学と人工现実研究」などの组みあわせ),异なる领域を担当する研究者が,少しずつ领域に重なりを持たせることにより,コミュニケーションの効率化を図っています。「物が见える」「音が聴こえる」という意识の先端に上る现象が研究の出発点になります。知覚(辫别谤肠别辫迟颈辞苍)をキーワードに,本センターの构成员は,一つに繋がっています。
メンバーが开発した颈笔丑辞苍别によるカラーユニバーサルデザインゲーム
学际的な研究を行う场合,まず会议を开いて违う分野の研究者同士が知识を共有することが多いようです。しかし当センターでは,研究者が共有する専门分野を手がかりに意思疎通を行うことで,いきなり本质的な部分から研究を始めることができます。ちょうど,他の楽器も弾ける演奏者が集まって,いきなり即兴演奏をするようなものです。このことによって研究が面白くなります。従って,研究の迅速化も期待できます。
メンバーが開発した「自律神経活動活性度により異なる空気玉触覚をあてるPuff Puff System」
当センターは、现在科学研究费补助金の基盘研究(A)を2件、若手研究(A)を1件実施するなど、知覚に関する基础研究の水準を维持する一方で、デザイン一般,都市计画,情报?通信,交通,医疗?福祉,语学教育などの分野において、実社会とのつながりを保っています。このような活动の基础となる特许技术も多数有しています。
■応用知覚科学研究センターの活动绍介
1.セミナー
自由な討論、情報交換の場としてさまざまな形のセミナー、懇話会を開いています。これは、遡れば 2000年4月に当時の九州芸術工科大学において、知覚心理学に関係する博士課程学生、教員が「シニア?セミナー」と称して情報交換を始めたことに始まります。その際、これを毎回英語で行うことに決めたところ、海外からの研究者受入れを思いのほか促進し、結果として関連分野の国際化を強力に進める結果となりました。
当センターの前身の一つである九州大学の全学プロジェクト(笔&补尘辫;笔,Aタイプ)「文理融合型の知覚?认知研究拠点」が 2010年5月に始まった際に、名称をPerceptual Frontier Seminar と改め、意識的な学際化、国際化を図った結果、国内外の研究机関の交流の场となり、多くの共同研究が始まり、継続しています。
Perceptual Frontier Seminar におけるデモンストレーション風景
当センターのセミナーは15回に達しております。 シドニー大学、理化学研究所、ヨーク大学(カナダ)、首都師範大学(中国)、アイルランド国立大学、トロント大学、北海道医療大学、東北学院大学、同志社大学の研究者と、Perceptual Frontier Seminar において意見交換を行い、具体的な共同研究につながっています。
このような研究者のほとんどは、本学をくり返し访问してくださっています。この雰囲気の中で大学院生、ポスドクも育っています。
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2.学会、研究会などの共催
2013年12月2日には,九州大学の全学プロジェクト(P&P,Aタイプ)と当センターとの共催により、病院キャンパスにおいて,九州大学「文理融合型の知覚?认知研究拠点」2013年忘年ポスター?シンポジウムを開催しました。国内外から 45 名の参加者が集まり,27 件のポスター発表が行われました。
その他、国内外の研究者との交流が,センターを中心として日常的に行われています。
※详细は以下URLよりご确认ください。
今后の活动
?国際会議 The 2nd Annual Meeting of the Society for Bioacoustics;2015年12月12 日(土)?13 日(日)
? 3.「柔らか数学」シリーズ
応用知覚科学研究センターの一つの方向として、応用知覚科学の研究において得られる様々なデータに対して「数学」を使って正しく解析したいという愿いがあります。现代ではいわゆる「数学」の世界でも数学者が応用に目を向けた研究を重视するようになっており(九州大学マス?フォア?インダストリ研究所の発足、グレブナ基底研究者と统计学者のコラボ、位相几何学者のデータ解析理论への取り组み等々)、応用と数学とのコラボは目を见张る成果を上げています。当センターでも「柔らか数学」と铭打って、センターの研究者および将来の研究者となる大学院生を対象に、応用知覚科学研究で得られるデータの解析に関连が深いと思われる応用数学の领域から国内の着名な研究者を招聘し、入门的な讲义をお愿いしています。
【第1回】2013年4月の発足式にて
?柳川尭先生(久留米大学バイオ统计センター),「科学的な実験の考え方」について基调讲演。
?叁分一史和先生(统计数理研究所)に「脳波信号の解析」について招待讲演。
【第2回】2014年1月
?足立浩平先生(大阪大学人间科学研究科),「多変量データ解析の诸方法および入出力叁相データの主成分分析」について讲演。
【第3回】2014年6月
?亀岡弘和先生(NTTコミュニケーション科学基礎研究所/東京大学 大学院情報理工学系研究科)に「非負値行列因子分解の音響信号処理?機械学習への応用」について講演。非負値行列因子分解という行列の分解手法が音響信号から重要な因子を取り出してくるからくりについて、実例を聴衆に聞かせて理解させる大変興味深い講演でした。
【第4回】2014年8月
?村田昇先生(早稲田大学 电気情报?生命工学科),独立主成分分析について讲演。
独立成分分析は、混浊した音响信号から正确に会话音声を抽出するなどに使われる统计手法です。独立成分分析,スパースコーディング,非负値行列因子分解などの方法が、ある统一的枠组みで议论できるという先生ご自身の研究成果を、主に画像などを対象とした応用例を取り挙げて议论されたものであり、非常に深い话であり、兴味深いものでした。
「国际五感シンポジウム」におけるデモンストレーション风景
4.学内连携
様々な研究スタイルが竞いあう九州大学における学内连携は、国际连携と同程度に重要です。当センターは、常に学内の研究动向に目を向け、面白い研究を発掘する努力を欠かさないようにしています。设立记念シンポジウムにおいては、人文科学研究院、数理学研究院の名誉教授に基调讲演を依頼いたしました。芸术工学研究院附属施设であるにもかかわらず协力研究员という形で他部局の研究者を迎えており、现在では高等研究院、医学研究院、システム情报科学研究院、人间环境学研究院の研究者にご参加いただいております。
学内の他の研究センターとの协力も重视しています。
?2014年 1月、「味覚?嗅覚センサ研究開発センター設立記念シンポジウム」共催。
?2014年11月、「応用生理人类学研究センターキックオフシンポジウム」共催。
?2015年?3月、伝統ある「知覚コロキウム(第48回)」の一環として「International Five-Sense Symposium(国際五感シンポジウム)」を、味覚?嗅覚センサ研究開発センター、日本音響学会九州支部と共催。センター員の長年の共同研究者であるカリフォルニア大学サンディエゴ校の Anstis 教授と味覚?嗅覚センサ研究開発センターの都甲センター長に基調講演を依頼し、当センターのセンター長が座長を務めました。このようにしてそれまでにはなかった学問的コミュニケーションの場を作りだしています。
■最后に
多くの方々のご协力のおかげで,応用知覚科学研究センターは,いつも意欲のある研究者やパワーのある学生が集まり,议论を交わす场となっています。「知覚科学」という学际的な领域を确立することを目指すとともに,心から学问を楽しむ人と人とのつながりが福冈にあったという记録が,知覚に関する学术论文とともに百年以上先まで残ること,これが私どものささやかな野望です。是非,私たちの応用知覚科学研究センターに一度足を踏み入れてみて下さい。
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<构成员リスト>
知覚脳科学グループ 兼任:中島 祥好,伊藤 裕之,須長 正治,Gerard Bastiaan REMIJN,大井 尚行,山下 友子 協力:飛松 省三(医学研究院) |
応用知覚学グループ 兼任:坂田 年男,上田 和夫,高木 英行,鏑木 時彦,上岡 玲子, 協力:妹尾 武治(高等研究院),志堂寺 和則(システム情報科学研究院),光藤 宏行(人間環境学研究院) |