ロボットの明日を描く
ロボットの明日を描く
2022/02/24
动画作成者
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仓爪亮
教授
システム情报科学研究院
専门分野
ロボット工学
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ロボットがいる未来について、私たちは长い间、ロボットが人间に代わって危険、汚い、キツい仕事を担う姿を想像してきました。そうした映画のスクリーンに登场するような万能なロボットのイメージの一方で、今后、工场や家庭で働く近未来の知的ロボットの姿は、私たちが思い描くものとは异なったものになるかもしれません。
「全てのロボットに高価なセンサーやプロセッサーを搭載し、スーパーロボットとして開発するには技術的課題が多く、また製造コストも膨大なものになります」と、九州大学大学院システム情报科学研究院の仓爪亮教授は指摘します。
「それよりも、ロボットの周囲环境にセンサーを配置し、センサーが収集した情报を必要に応じてロボットに送信する方法はどうでしょうか。周囲の环境もろともシステムに组み込むことで、単纯なロボットでもスーパーロボット并みに知的に振る舞うことが可能です」。
仓爪教授のグループは、最先端の技术を応用した知的サービスロボットの実现を推し进めています。こうしたロボットは、日常生活の支援、见守りや警备、案内作业、さらには患者へより质の高いケアを行う训练での活用など、日常生活のあらゆる局面で人间をサポートすることが期待されます。
サービスロボットの実现を目指して仓爪教授が掲げるのが、周囲のセンサーが情报を収集、整理し、必要に応じてその情报をロボットとリアルタイムに共有する「环境情报构造化」という考え方です。タスク分散と、センサー配置の最适化により、コストの効率化と个々のサービスロボットのより良い协働を実现します。
仓爪教授のチームは、膨大な情报の収集と処理を统合する を开発しました。このシステムは15年以上にわたり进化を遂げてきました。
センサーは移动させることもできます。仓爪教授のチームは、の最新の実証実験で、周囲を探索、ロボットや人の位置を特定する移动式センサーを用いました。
复数のモバイルセンサーが周囲を探索し、その情报を车椅子に伝えてナビゲーションする様子を绍介する映像
「ロボットが周囲の状况をより正确に把握し、断片的な情报の中でも正しい判断を下せるよう、実现に向けて一歩一歩取り组んでいます」と仓爪教授は语ります。「人间同士のコミュニケーションと同様に、会话やジェスチャーでロボットとの意思疎通を図れるようになるのが最终的な目标です」。
目标の达成に向け、仓爪教授のチームはこれまで培ってきたソフトウェアとハードウェアをベースに、常に新しい技术を模索し、取り入れています。
例えば、仓爪研究室では、全国に先駆けて伊都キャンパスに设置された5骋の高速携帯电话ネットワークを使った実証実験を行ったり、の开発には日本の準天顶卫星システムによるセンチメートル単位の测位情报を活用したりしています。
仓爪教授のグループが开発する、拡张现実(础搁)を用いたユマニチュードという介护手法を教えるツール
倉爪教授は、生身の人間の手が求められるような仕事においてもロボットが活躍する道を探っています。研究グループは、 認知症患者とその介護者の双方に好ましい相互作用をもたらす優しい介護手法のため、拡张现実(础搁)の技术を利用した训练システムを开発しています。
このシステムは、等身大の人形に搭载された触覚センサーと、人形に患者の颜を重ねて表示できるスマートグラスを活用し、またリアルタイムなフィードバックによって介护者のユマニチュードの技术の习得をより効率的に、充実したものにしてくれます。
ロボットの普及に伴い、その开発の役割が公司に移っても、大学がロボット开発の分野において特别な存在であることは変わらないと仓爪教授は考えています。
「さまざまな分野の最先端技术を组み合わせ、一歩先の未来を社会に提示することが大学の役割です」と仓爪教授は强调します。「开発の最前线にいるからこそ、明日の新しいビジョンを描くことができるのです」。