Notices お知らせ
九州大学大学院理学研究院化学部门のが、国际的な地球化学の学会(国際地球化学会、以下GS)の環境科学分野に関連する2024年クレア?パターソン?メダル(Clair C. Patterson Medal)を受赏することが決まり、GSが2月19日、しました。さらに、GSおよび欧州地球化学協会(European Association of Geochemistry、 EAG)の地球化学フェロー(Geochemistry Fellow)の称号も付与されることが決定しました。日本人でクレア?パターソン?メダルを受赏するのは二人目で、本学では初めてです。また、地球化学フェローの称号をうけるのも本学では初です。
GSは1955年創立で、米国ワシントンD.C.に本部を持ち、70を超える国と地域からの4,000名強の会員で構成されています。EAGは1985年創立で、フランスに本部があり、GSとともに地球?宇宙化学の分野で最も権威のある国際会議であるゴールドシュミット会議(Goldschmidt Conference)を1988年より毎年、欧?米持ち回りで開催しています。カリフォルニア工科大学教授であったクレア?パターソン博士は地球?宇宙化学、環境化学で顕著な業績を残した研究者であり、GSは1998年にその功績を称えてクレア?パターソン賞を設置しました。過去 10 年間に特に社会へ貢献度が高く、地球環境化学において革新的な進歩をもたらした研究者が毎年1名選ばれてパターソンメダルが授与される制度になっています。また、GSとEAGは1996年より地球?宇宙化学の分野で科学的に大きな貢献のあった研究者を毎年10名程度、地球化学フェロー(Geochemistry Fellow)に選出して、その貢献を称えています。
宇都宫准教授は8月18日から23日まで米国イリノイ州シカゴで开催されるゴールドシュミット会议で2つの栄誉を授与され、パターソンメダル受赏记念讲演を行います。
宇都宫准教授のコメント
まず私自身がノミネートされていることを知らなかったために大変惊きましたが、名誉あるパターソン赏に选ばれて光栄であり、とても嬉しいニュースです。クレア?パターソン博士はカリフォルニア工科大学の教授で1953年に地球の年齢を45.5亿年と最初に决定した地球科学分野の先导的研究者です。年代测定に必要な铅の同位体を调べる中で、当时环境中に急激に広まっていた铅汚染と血中浓度の上昇を精密な分析で明らかにしました。当时多くの产业、特に自动车のガソリンには铅が含まれていたことから、铅の利用削减を提言したところ、产业界をはじめ各所から非难を浴びたと言われています。逆境の中、科学的な証拠をつきつめ、最终的には铅の危険性が公に认められました。现在、无铅ガソリンが流通する础をつくった伟大な环境地球化学者です。実は私はその话を自分が院生时代に知り、とても深く感铭を受け、パターソン博士のように人类に贡献できる研究者を目指そうと考えました。院生时代、私のデスクの前に二人の肖像をプリントした纸を贴っていて、一人はマリー?キュリー博士でもうひとりは実はクレア?パターソン博士でした。自分が最も尊敬する科学者の赏をまさか自分が受けるとは思っていませんでしたが、研究者としての道を示してくれたパターソン博士と少しつながりができたことを大変嬉しく思います。
この受赏は私のこれまでの环境化学に関连する研究、特に13年前に起きた福岛第一原子力発电所の事故で放出された放射性核种の特殊な存在形态とその深远な物质科学的?环境科学的意义を究明した一连の研究が评価されたものと思われます。その间、パターソン博士が受けたような数々の中伤や妨害に屈せず、ひたすら新しい科学的事実を突きつめて论文化しつづけてきたことが报われたように感じます。未だ残されている福岛第一原発の诸问题や环境问题、そして将来どこかで起こりうる原子力灾害时の现象理解に少しでも贡献できるよう、これからも研究に迈进していきたいと考えています。これまでの受赏者たちのリストをみると着名な研究者がずらりと揃っており、私自身もこのパターソン博士の名前がついたメダルにふさわしい研究を続けていかなければならないと気が引き缔まる思いです。
最后に、今回の受赏はこれまでに论文になった研究成果が评価されたものですが、それはすべて在籍した学生达が行ってきた努力の结晶でもあります。彼らの探究心、好奇心、そして原子力灾害研究に対する献身がなければ达成できなかった成果と言えます。また、一连の研究では国内外の研究机関と强固な研究チームを构筑して大きな成果をあげることができました。现在まで共に研究に打ち込んでくれた学生达と支えて下さった共同研究者の方々に改めて感谢を申し上げます。