Notices お知らせ
鹿追町で発见した北海道石は、紫外线照射下で鲜やかな蛍光を発する。(黄色く蛍光する部分)
九州大学大学院理学府の井上裕貴さん、公益財団法人 相模中央化学研究所 田中陵二 主任研究員(兼務:東海大学客員教授)、日本地学研究会 萩原昭人さん、大阪大学総合学術博物馆 石橋隆 招へい研究員(資料部所属)の研究グループは、北海道河東郡鹿追町および上川郡愛別町の山林で、世界初となる新鉱物「北海道石(ほっかいどうせき)、学名:hokkaidoite(ホッカイドウアイト)」を発見。令和 5 年1月に国際鉱物学連合において命名承認?登録を受けました (登録番号 IMA2022-104)。これは日本における初めての有機鉱物(※1)の新鉱物でもあります。
北海道石は、鹿追町にかつて存在した古温泉により形成されたオパール(※2)中に微细な淡黄色树枝状结晶として多量に见られ、紫外线照射により黄色~黄緑色蛍光を発します。また、爱别町では石英(二酸化ケイ素)中の隙间に存在していることを発见しました(本研究の试料採取は环境省、林野庁、地権者の了承を得て採取)。
中学生の时に蛍光するオパールを初めて见て感动した井上さんは、理工系の大学を経て、鉱物に関する研究をしたくて九州大学大学院理学府地球惑星科学専攻に进学し、现在は鉱物の形成メカニズムの研究を行っています。研究を进める中で知り合った研究者とともに新鉱物の调査を行いました。井上さんは地球化学や地质调査の観点から今回の研究グループに参加しました。蛍光するオパールとの出会いから约10年后、自ら新鉱物を発见したことになりました。
北海道石の正体は、炭素および水素のみからなる有机化合物「ベンゾ摆驳丑颈闭ペリレン」の天然结晶です。これは、コロネンと呼ばれる有机化合物の天然の前駆物质であると考えられ、今回の产出は従来详细な情报がなかったコロネンの生成メカニズムや热水に伴う石油の形成プロセス(※3)の谜を解く键になることが期待されます。
なお、本研究の成果は、5 月に日本地球惑星科学連合2023年大会、8 月に 岩石水相互作用(WRI-17)と応用同位体地球化学(AIG-14)の国際会議 において発表されました (国際会議では Student poster award 受賞)。また、関係機関より報道機関宛にお知らせしました。
用语解説
(※1) 有機化合物が天然で結晶化する鉱物。現在発見された有機鉱物は鉱物種全体の1%程度。
(※2) 非晶質の二酸化ケイ素と水の鉱物。美しい色彩を持つものなどは宝飾品として扱われる。
(※3) 石油の主成分も炭素および水素のみからなる化合物で、北海道石との関連が予想される。
コメント
现地调査中の井上裕贵さん
九州大学での経験や知识をもとに中学生の时に见た蛍光する原因を新鉱物と突き止められたことは大変嬉しいです。また、新鉱物の発见は子どもの顷からの憧れであり、その念愿が半分叶いました。今回の新鉱物は紫外线下で美丽であるだけでなく、地球化学的な意味を持つ鉱物であるため研究を続けていきたいです。现在、产地は保护のため一般公开はしていませんが、北海道石および関连鉱物の标本等は、とかち鹿追ジオパークビジターセンター、环境省?上士幌町ひがし大雪自然馆、および爱别町舎で展示中なので、ぜひ多くの人に见ていただきたいです。(井上)
理学部等事务部地球惑星科学部门等事务室
电话:092-802-4209
贵础齿:092-802-4208
惭补颈濒:驳别辞-箩颈尘耻1蹿★驳别辞.办测耻蝉丑耻-耻.补肠.箩辫
※メールアドレスの★を蔼に変更してください。