时代のニーズを先読みした次世代ロケットエンジンの研究开発に挑み、日本の航空宇宙工学分野をけん引する若手リーダー。持ち前の好奇心と行动力で何事にも全力で突き进むその素颜は、柔和な笑颜が印象的な関西人。モットーは大学时代の师匠の言叶、“工学部は使われてこそ”。
时代のニーズを先読みした次世代ロケットエンジンの研究开発に挑み、日本の航空宇宙工学分野をけん引する若手リーダー。持ち前の好奇心と行动力で何事にも全力で突き进むその素颜は、柔和な笑颜が印象的な関西人。モットーは大学时代の师匠の言叶、“工学部は使われてこそ”。
大阪府出身。日が沉むまで野球やサッカーに梦中な日々を过ごした少年时代、漠然と「パイロットって格好いいな」と思い始める。好奇心旺盛で、中高时代は宇宙科学をはじめ生物学に考古学、とあらゆる学问に兴味を持ち进路を悩むが、「一人暮らしをしたい」、「航空宇宙工学を学びたい」という思いが高じて、东京大学理科一类に入学、1999年工学部航空宇宙工学科卒业。大学4年から始めた研究のテーマにイオンエンジンを选んだのは、宇宙空间でイオンエンジンが动作するところを见てみたいと思ったから。2004年同大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻修了、博士号(工学)取得。同年九州大学大学院総合理工学研究院エネルギー理工科学部门助手に就任。2007年?2009年、客室研究员としてコロラド州立大学机械工学科に留学、2017年より现职。2009年、第19回日本航空宇宙学会奨励赏、2011年度科学技术分野の文部科学大臣表彰「若手科学者赏」等数々の赏を受赏。2019年5月、小型イオンエンジンを大学や公司等対外に贩売する、产学连携のベンチャー公司を立ち上げたばかりで业界内外の注目を浴びている。
イオンエンジンについて楽しそうに语ってくれた山本先生は、実年齢より若々しい印象。
研究室の中央に镇座する実験装置は九州大学工学部エネルギー科学科(正式にはエネルギー量子の工场)の技官の方に作ってもらったもの。溶接?研磨などのすべての工程がなんと手作业で作られていて、误差はマイクロメートルオーダーというから技术力の高さがうかがえる。
山本先生が指している30肠尘四方の物体もロケット。ロケットのミニ化?低コスト化が进んでおり、个人がロケットを当たり前に买う时代も来るかもしれない。
イオンエンジンについて楽しそうに语ってくれた山本先生は、実年齢より若々しい印象。
人工卫星や宇宙探査机に搭载するロケットエンジンは、今までは酸素と水素などの化学反応を利用したものが主流でした。私は小惑星探査机「はやぶさ」でも有名になったイオンエンジン、つまりプラズマを利用したエンジンを研究するとともに、実际に製作も手がけています。
研究室の中央に镇座する実験装置は九州大学工学部エネルギー科学科(正式にはエネルギー量子の工场)の技官の方に作ってもらったもの。溶接?研磨などのすべての工程がなんと手作业で作られていて、误差はマイクロメートルオーダーというから技术力の高さがうかがえる。
イオンエンジンの研究は1960年代から始まり、1970年代には実用化されています。しかし、今までは国レベルのプロジェクトでしか遂行できず、20年前は军事卫星の一部や试験机などでしか利用されていませんでした。この10年で一気に研究と実用化が进み、现在では世界で200以上の人工卫星や探査机で使われています。
山本先生が指している30肠尘四方の物体もロケット。ロケットのミニ化?低コスト化が进んでおり、个人がロケットを当たり前に买う时代も来るかもしれない。
プラズマとは、ガスの温度をどんどん上げていくと原子と电子がバラバラになり、イオンと电子が自由に动きまわることができる状态のことをいいます。その状态だと静电力が働き、电场や磁场を利用して力がイオンと电子に与えられ、简単に高エネルギーの状态をつくり出すことができます。イオンエンジンは电気の力を利用していますが、一番の利点は燃费が良いこと。例えば2トンの人工卫星を打ち上げるには1トンの燃料が必要です。しかし、イオンエンジンだとその5?10倍は燃费が良いので、その分人工卫星に乗せる燃料が軽くなり、他の観测机器も搭载することができます。人工卫星も小型化することで今まで1机で行っていたミッションを2机同时でできるようになるわけです。
実际に2019年5月、アメリカのスペース齿社がイオンエンジンを使った、小型の高速インターネット通信卫星を60机打ち上げることに成功しました。轨道変更、轨道维持、轨道离脱用に使い、现在550办尘を回っています。まるでドローンのようなイメージに近いですよね。イオンエンジンは卫星が高度を维持する推力も担っています。これまで地上から400㎞地点が限界だったのが、300㎞まで维持が可能になったことでアフリカのような発展途上国でも、宇宙からアプローチすることによって容易にインターネットに接続することが可能になりました。このように、卫星が小型化すれば、今まで観测できなかったことができるようになり、复数机飞ばしての宇宙探索もできるようになりました。
现在は主に重力波を検出する人工卫星の性能に见合う、イオンエンジンの研究を行っています。レーザー计测や数値解析によってエンジン内部を観测し、得た知见を製作侧にフィードバック…その作业を延々と繰り返して、とにかくより良い次世代エンジンをつくることで世の中に贡献したいと考えています。観测ニーズに见合ったイオンエンジンの研究?开発?製作が私の使命ですが、世界中で研究?実用化のスピードが速まっている今、常にあっぷあっぷしながらも时代を先読みするよう努力しています。
现在はベンチャー公司をはじめ、数々の民间公司が小型ロケットや人工卫星を打ち上げ、大学でもそのエンジンや人工卫星をつくれるようになりました。その最先端の现场にいること自体が魅力ですし、その现场を诸先辈たちから引き継ぎ、自分がつくっていくということにも责任を感じますが、好奇心や面白さが上回りますね。
研究は失败と成功の繰り返し。実は3回に2回は失败しています。しかし失败から分析し、フィードバックが早く、必ず答えが出るのもこの研究の魅力です。エンジンとしてモノになるまでいろいろな実験を何十回も繰り返しながら、世の中に出るまで5?6年。长い时间がかかりますが、0から1を创り出すまでを想像している时、実际の想像を设计して试して上手くいった时、失败からまた想像して改良にいたった时…どの段阶でもこの研究には面白さがあります。まるで远足の前の日、远足当日の日々を延々と繰り返しているよう(笑)。毎日ワクワク感が続く…これこそがモノづくり、エンジンづくりの醍醐味だと感じています。
魅力を一言でいうと“横のつながりの强さ”。特に筑紫キャンパスでは最先端の研究机関が集まっているので、一见、自分の研究に関係ない分野だとしても、情报を共有することで刺激になり、そして后で必ず気づきとなり、お互いの研究にリンクしてくるんです。留学生の受け入れや、釜山大学校、上海交通大学とともに、次世代の人材养成のための『キャンパスアジアプログラム』の取り组み等に积极的なところも特长ですね。バックボーンが违う人と触れ合うことでアイデアは生まれてきますから。欲を言えば、筑紫キャンパスは理系オンリーなので文系の生徒たちとも交流できたら、もっと面白いでしょうね。
正六角形の穴を持つ特殊なネジを缔めたり缓めたりする工具。これを使って、実験に使う机械を微调整する。よく使うサイズのものは印刷された商品名が薄くなって年季が入っている。
通勤、出张、娘さんとのお散歩など、公私ともに大活跃の大容量リュック。防水机能あり、笔颁用のクッションあり、背中侧は风が通る仕様で夏でも快适、と机能性抜群!でも3年使い倒して少しくたびれ気味…「そろそろ新しいリュックを买おうかな」と先生。
ノートはアイデアやメモを书きつけるために(絵や図を书くため罫线なしの无地)、电卓はちょっとした计算用、マーカーペンは考え事をする时に手游びするために携行。かわいらしい花型のマーカーペンはマレーシア製で义理のお父様の遗品。考え事をしながら机の上でくるくる回すそう。
あなたは“普通な人”なんてことは絶対にない!
“自分なり”に顽张ればいいんです。
大学や大学院に入ると、高校时代とは违った景色が広がっています。今まで会ったことのない人と出会えるし、刺激もたくさん。自分の好奇心や想像力を追求し、カタチにできる可能性にあふれています。でも、この顷の学生さんは「自分には特长がない、自分って普通だ」と思い込んでいる人が多いように感じます。また行动においても、周りと同じ流れに乗っている人が多い気がしますね。実际は、自分が思っているほど“普通な人”なんてことは絶対にないんです。つまり、あなたは意外とトンガっている、変わっているんです!今、そこにピンと来ていない人は、気がついていないだけ、ということを知ってほしいですね。自分の事が分かるのは、様々な人との出会いがあり、时间を自分でコントロールしやすい大学时代ならでは。自分の个性を在学中に见つけてほしい。そして见つけたら、“自分なり”に大事にして、育ててほしいですね。顽张り方は人それぞれですから。自分を信じて、自分のペースで自分の道を开拓するのはとても楽しいことですよ。
取材日(2019.7)