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自然界に存在する"地球の真実"をとことん追求していきたい。自然界に存在する"地球の真実"をとことん追求していきたい。副理事(共創学部担当)、共創学部 学部長、大学院比較社会文化研究院 教授 理学博士 小山内 康人

副理事(共創学部担当)、共創学部 学部長、大学院比較社会文化研究院 教授 理学博士 理学博士

小山内 康人

大陸地殻深部物質(鉱物や岩石)の研究者。「真実は自然界にある」をモットーに、南極のセールロンダーネ山地など、人跡未踏の地を含み世界中を駆け巡る。人類が知りたいと願う「地球の真実」を明らかにする為、約40年間休むことなく世界を牽引し続ける地質学? 岩石学のフロントランナー。

大陸地殻深部物質(鉱物や岩石)の研究者。「真実は自然界にある」をモットーに、南極のセールロンダーネ山地など、人跡未踏の地を含み世界中を駆け巡る。人類が知りたいと願う「地球の真実」を明らかにする為、約40年間休むことなく世界を牽引し続ける地質学? 岩石学のフロントランナー。

プロフィール

札幌生まれの札幌育ち。中学生の頃から始めた趣味の鉄道写真に熱中し、他とは違う視点から撮影ポイントを探して全国の山を巡る中、「なぜ山の形や岩石は皆違うのか?」という疑問から登山?地質研究に足を踏み入れる。卒業研究から大学院の研究を続けるなか、北海道日高山脈の山中で、毎年約3カ月間、ヒグマと隣り合わせのテント生活だったのも「今は良い思い出」。1986年北海道大学大学院理学研究科地質学鉱物学専攻博士課程修了、福岡教育大学助教授、ニューサウスウェールズ大学客員研究員、岡山大学助教授、国立極地研究所客員助教授などを経て、2004年九州大学比較社会文化研究院教授に着任。日高山脈の研究では先駆的にプレートテクトニクス理論を用いた論文を発表し、学会から大きな注目を浴びる。日本南極地域観測隊員?副隊長として4回の南極調査にも従事するなど、世界各地の大陸に赴き地質調査を行う。2018年4月、新設学部となる九州大学「共創学部」 の創設に携わる。

何を研究してるの?

南极、ベトナム、モンゴル...など地质调査のため世界中を奔走。「北海道の山も半袖で过ごす」ほどエネルギッシュだ。

南极での地质调査にて。南极は地球创生の键となる陨石が一番多く採取され、地球最古とみなされる岩石も存在することから「地球の玉手箱」と呼ばれることも。

日本には数台しかない高机能の同位体比分析装置(レーザー溶出型マルチコレクター诱导结合プラズマ质量分析计)。
ウラニウムや铅の同位体を分析し、岩石や鉱物の形成した时代を明らかにする。南极の岩石から、约40亿年前の絶対年代値も得られている。

南极、ベトナム、モンゴル...など地质调査のため世界中を奔走。「北海道の山も半袖で过ごす」ほどエネルギッシュだ。

大陆が何亿年もかけて集合したり离れたりしてきたことはご存じだと思いますが、2亿年后には、再び一つの大陆(超大陆:スーパーコンチネント)が形成されることが既に予测されています。大陆はある时は一つの大陆の块(超大陆)を形成し、ある时は现在の地球のように大陆がバラバラに分散し、その动きを约5亿年単位で繰り返しており、现在でも次の超大陆形成にむけて大陆は移动し続けています。
実はこの大陆の动きは、地殻深部の「石」から知ることができます。地球表层部にもたらされた地殻深部岩石(変成岩)を世界中から採取し、精密に解析し、実験岩石学のデータと照らし合わすことで、変成岩が今までどのような変动を経てきたかを明らかにします。

南极での地质调査にて。南极は地球创生の键となる陨石が一番多く採取され、地球最古とみなされる岩石も存在することから「地球の玉手箱」と呼ばれることも。

その研究データをもとに约40亿年もの过去から现在、そして未来に至るまでのダイナミックな地殻変动を解析します。岩石に含まれる鉱物や、岩石そのものはいわば地球の生き証人。地球诞生以来の歴史が詰まっており、现代の技术を駆使して、どの时代にどんな自然现象が起きたかが解明できるのです。

日本には数台しかない高机能の同位体比分析装置(レーザー溶出型マルチコレクター诱导结合プラズマ质量分析计)。
ウラニウムや铅の同位体を分析し、岩石や鉱物の形成した时代を明らかにする。南极の岩石から、约40亿年前の絶対年代値も得られている。

大陆がどのように変动してきたかを解明するには、地殻深部词マントル内で形成された高温(超高温)変成岩の化学组成や构成鉱物を解析し、温度や圧力の変迁过程を読み取ることが重要です。地殻深部の物质を直接採取できれば早いのですが、地球の半径约6400办尘のうち、地殻とマントルの境界までは地表面から约30词50办尘の深さ。ところが、世界中の最先端の採掘技术をもって临んでも、最深约10办尘までしか掘ることができず、地殻深部にたどり着くことができません。そこで地球内部の物理条件(温度?圧力)を実験室で再现し、どのような鉱物や岩石が安定に存在できるかをシミュレーションし、地球の地殻深部物质の解析を行って、大陆の形成?进化プロセスの研究を进めています。

近年では岩石鉱物だけでなく、石器、金属器、土器、人骨、歯牙などの考古资料分析においても地球科学的分析手法を导入し、まったく新しい考古学の研究展开も図っている真っ最中です。

研究科目の「魅力」はココ!研究科目の「魅力」はココ!

石はすべてを語るー46億年来の地球の歴史を知る石はすべてを語るー46億年来の地球の歴史を知る

何億年という単位の壮大な歴史を解明する一方で、地震、津波、火山噴火、大規模土石流 など、とてつもないスケールで発生する自然災害も、実は大規模地球表層変動の一場面であり、私たちの研究分野です。46億年来の地球を明らかにすることが、身の回りの自然現象を明らかにし、将来の地球の姿を鮮明に描き出してくれる。地球科学はロマンでは語れない。人類の日常生活とも密接に関わる極めて現実的な学問であり、研究者でなくとも、地球上に暮らす市民としても普通に知るべきことが多いのです。

地质学は、地球がどのように変动してきたかを解明し、未来の地球の姿を予测させ、その予测が现代の私たちの生活にも密着し役立つ情报となるのです。その点が地球科学の最大の魅力だと思います。

DAILY SCHEDULEDAILY SCHEDULE


OFFの1コマ

日曜は奥様と一緒にのんびりショッピング&本屋めぐり。「山登りに行く」と決めたら休みをとり、金曜の夜から全国の好きな山へ赴き、現地の仲間とテントで寝泊まりしながら登山。山菜採り、料理も趣味だという小山内先生。日本一巨大なフキ「ラワンブキ」を使ったパスタが一番の得意料理! 「ラワンブキだったらアイヌ伝説のコロボックル気分になれるよ」というほど大きいそうだ。日曜は奥様と一緒にのんびりショッピング&本屋めぐり。「山登りに行く」と決めたら休みをとり、金曜の夜から全国の好きな山へ赴き、現地の仲間とテントで寝泊まりしながら登山。山菜採り、料理も趣味だという小山内先生。日本一巨大なフキ「ラワンブキ」を使ったパスタが一番の得意料理! 「ラワンブキだったらアイヌ伝説のコロボックル気分になれるよ」というほど大きいそうだ。

先生の必須アイテムはコレ!

ルーペ

石の表面を见るルーペは、地质学?岩石学研究者としての必须中の必须アイテム。ドイツ製のルーペは南极にもお供した、15年以上に渡る相棒。革のケースが格好いいルーペは尝贰顿ライト付き。

システム手帐

スケジュールが詰まった大切なモノ。予定は手帳、スマートフォン、どちらにも入れており、スマホや扇子が入るポケットも着いているなど、皮張りのシャレたシステム手帐。

爱妻弁当

布ナプキンもカエル柄!「これがないと生きていけない」という爱妻弁当は、小山内先生の一番のエネルギー源。定番のおかずは、北海道出身の先生らしく“鮭の切り身”。

学生へのメッセージ

人类自らが暮らす地球に目を向けて欲しい。
复雑で美しい自然现象の真実を追求してほしい。

2011年、东日本大震灾をきっかけに「津波てんでんこ」という言叶が注目を浴びました。「津波が来たら、とにかく逃げろ」という意味の民间伝承の言叶ですが、昔から人々は地震が起きると津波が起きることを知っていましたが、それは自然に目を向けていたからだと思うのです。
「地学」という学问は自然灾害や资源问题など、人々の生活にダイレクトに结びついているもの。しっかりとした知识を身に付けていればこそ、问题を解决することができるのです。大规模な自然灾害が起きている昨今、自分が暮らす地球のことを知ることは、人类が生きて行くための情报を知ることと同意です。その真実をとことん追求してほしい。そうすれば自然现象をみて、次に何が起きるのか予测できることもあり、问题を解决することができるのです。
九州大学では2018年4月に、新学部「共创学部」が诞生します。文理を统合し、多様な学问を多角的に组み合わせて、人类が抱える诸问题解决のための方法论を学ぶための可能性に溢れた新学部です。志のあるかたにぜひチャレンジしてほしいですね。
地球の歴史を1年に例えると、人间の一生(80年)は0.548秒、大学学部4年+修士2年は0.042秒。あっという间の人生です、悔いのないよう突っ走って生きましょう!

取材日(2017.7)

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