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グリーンケミストリーが地球を変える!人と環境に優しい薬づくりを実現化へグリーンケミストリーが地球を変える!人と環境に優しい薬づくりを実現化へ 薬学研究院 創薬科学部門医薬化学講座 環境調和創薬化学分野 教授 グリーンファルマ研究所 教授 大嶋 孝志

薬学研究院 創薬科学部門医薬化学講座 環境調和創薬化学分野 教授 グリーンファルマ研究所 教授

大嶋 孝志

人と地球に优しい化学合成技术“グリーンケミストリー”の完全実现化を目指し、九州大学独自のシステム创薬センター『グリーンファルマ研究所』にて创薬研究に挑む、环境调和创薬化学分野のエースであり主导者。いつも微笑みをたたえ周囲を优しさで包む“顿谤,骋谤别别苍”。

人と地球に优しい化学合成技术“グリーンケミストリー”の完全実现化を目指し、九州大学独自のシステム创薬センター『グリーンファルマ研究所』にて创薬研究に挑む、环境调和创薬化学分野のエースであり主导者。いつも微笑みをたたえ周囲を优しさで包む“顿谤,骋谤别别苍”。

プロフィール

爱媛県松山市出身。中高时代はバレーボール部で汗を流し、理系だけど歴史小説や歴史マンガのおかげで日本史と古文が好きになり、进学は国文科か理系か迷ったとか。东京大学理科Ⅱ类入学后、生物から物理まで幅広い研究分野を学べる薬学を専攻。大学3年次に偶然大学の図书馆で読んだノーベル赏化学者?福井谦一氏のフロンティア轨道理论に衝撃を受ける、「化学は美しい!」と。大学院修士课程1年次に恩师となる有机化学者?柴﨑正胜氏に出会い、研究の面白さに目覚め、研究渍けの日々へと一新。1996年东京大学大学院薬学系研究科製薬化学専攻修了、博士(薬学)学位取得。同年、大塚製薬株式会社に入社后1年余りで渡米し、非営利の医疗研究施设であるスクリプス研究所の博士研究员を务める。1999年帰国后、科学技术振兴事业団(颁搁贰厂罢)、东京大学大学院薬学系研究科助手、2005年大阪大学大学院基础工学研究科准教授を経て、2010年九州大学大学院薬学研究院教授に就任。数々の受赏歴を持ち、精力的にプレスリリースで研究成果を発表している。

何を研究してるの?

身振り手振り、軽快なテンポで话す明るい大嶋先生。明るい日差しの中たたずむサボテンは「学生からの诞生日プレゼント」。月一回の诞生日会や食事会などは学生との交流が目的ではあるが「学生と话すこと自体好きなんだよね」と楽しんでいるご様子。

取材中に见せてくれた説明资料。积极的に対外発信を行っている先生。公开讲座の资料を使って丁寧に研究内容を教えてくれた。

学生と一绪にシンポジウムに参加

人类にとって必要な医薬品を、地球环境に优しい方法で供给することを研究テーマにしています。薬は开発から市贩されるまで10年以上の歳月がかかり、医薬品の合成にあたっては多くの廃弃物が生じます。环境への负荷を表す指标「贰-ファクター」(目的物を合成するために生じる廃弃物の量)では、石油化学製品が约0.1に対し、医薬品や农薬は25?100と指标が抜群に高く环境への负荷が大きい。そこで必要とされるのは人と地球环境に优しい化学合成技术“グリーンケミストリー”なのです。

例を示します。1970年代に、梦の抗がん剤といわれるタキソールが作り出されました。その原料は天然の西洋イチイの树皮。しかし1本の木から1日1人分しか作れず実用レベルで供给することが不可能であったため、全合成(最小単位の原料から天然物を人工的に化学合成すること)での供给が模索されました。1990年代になり数多くの研究者の努力の末、タキソールの全合成も可能となりましたが、依然として全合成での供给は困难なままです。それは、化学反応の工程数が多く、さらに各工程で多くの廃弃物を排出しコストも大きく膨らんでしまうためです。しかし、近い将来、タキソールのような复雑な化合物も、环境に负荷をかけず実用レベルで供给することが、有机化学に求められるでしょう。

グリーンケミストリーでの反応の开発には优れた触媒が必要で、いろんな触媒を组み合わせることによってその可能性が広がります。私は新规「环境调和型触媒反応」の开発と、さまざまな生物活性天然物や医疗品の効率的な合成への展开を行っています。优れた触媒を発见するために、有机化合物の合成力と金属错体の合成力を両轮に研究?実験を行っていった结果、医薬品や香料などでよく使われるエステル化合物の合成において繰り返し使える触媒の开発に成功しました。実际に抗ウイルス薬の合成にも成功しており、実用的な上に使用后はリサイクルできます。合成反応においては全ての原料を反応釜に投入して、物质の反応が全て终了した后に生成物を抽出するバッチ合成法が主流ですが、九州大学では、大学での高付加価値生物活性化合物の実用供给を目指し、原料を管状の容器に复数、连続的に通过させ、反応させるフロー合成法を利用し、构造的に复雑な化合物の合成研究も行っています。

现在公司と共同研究し、グリーンケミストリーの拡大を进めています。また九州大学独自のシステム创薬センター『グリーンファルマ研究所』にて、グリーンケミストリーと创薬化学の融合による新たな研究にも取り组み、人と环境に优しい薬づくりを目指しています。

研究科目の「魅力」はココ!研究科目の「魅力」はココ!

有機化学は“現代の錬金術”発見を超え、創造性に溢れている!有機化学は“現代の錬金術”発見を超え、創造性に溢れている!

化学というとどういうイメージをお持ちでしょうか。ポジティブなイメージだと医薬品、香料、食品、化粧品、着たら热を発する化学繊维、こすると消えるボールペンなどの机能性材料…たくさんありますよね。しかしネガティブなイメージだと公害などが浮かぶのではないでしょうか。化学の教科书では结果や目的物を合成することができれば翱碍、廃弃物を出すのが前提の反応も载っています。环境保全が叫ばれている现代において、なんちゃってグリーンケミストリーもあるわけですが、研究はどこにこだわるかだと思います。

私は彻底してグリーンケミストリーにこだわりたい。その為には目的を绞り、仮説を立てながら、素材や反応を想像して実験のデザインを组んでいきます。自分の発想やアイデアが予想通りに証明された时は本当に嬉しいですね。中には常识で考えられない组み合わせで高反応が起こることもあり、予想外の喜びを得られるのも研究の面白さです。

有机化学は现代の錬金术だと思っています。鉄から金は作れませんが、元素の组み合わせは无限の组み合わせがあり、その组み合わせによって鉄から金以上の価値を生み出せます。理学研究院の森田浩介先生が新元素ニホニウムを発见したのも、気の远くなるような组み合わせを繰り返し达成できたこと。化学は発见というよりも创造です。クリエイティビティに溢れ、常に新しいものを创り続けていく、そこに大きな魅力を感じています。

九大での学びについてひとこと!九大での学びについてひとこと!

やらされている感がある学生は、社会に出ても人に使われる人にしかなりません。研究者はアクティブ?ラーナーにならざるを得ず、学生には全てを言わずヒントを与えるだけで任せ、自分で考えさせるようにしています。そのためには常日顷からの信頼関係の构筑を大切にしていて、个人面谈やイベントも多く行っています。また留学生の交换も积极的に行い、博士以上は英语でディスカッションするようにしていますね。博士は世界规準でならないといけないと私は思っていますし、その為の环境づくりに力を入れています。

DAILY SCHEDULEDAILY SCHEDULE


OFFの1コマ

ダイエットのために始めたジョギング&ランニング歴は3年。最初は1?2kmでバテていたそうだが、「マラソンは研究に似ている」と現在年間3回はマラソン大会に参加するほどに。最高タイム4時間を切ることを目標にしている。最近はロードバイクも購入、身体を動かすことにハマり、月1回はマラソンサークルで“マラニック(マラソン+ピクニック)”を楽しんでいるそう。「走った後のお酒が美味しいんですよ?(笑)」とニッコリ。

ダイエットのために始めたジョギング&ランニング歴は3年。最初は1?2kmでバテていたそうだが、「マラソンは研究に似ている」と現在年間3回はマラソン大会に参加するほどに。最高タイム4時間を切ることを目標にしている。最近はロードバイクも購入、身体を動かすことにハマり、月1回はマラソンサークルで“マラニック(マラソン+ピクニック)”を楽しんでいるそう。「走った後のお酒が美味しいんですよ?(笑)」とニッコリ。

先生の必須アイテムはコレ!

ランニングウォッチ&シューズ

心拍数のデータ分析もできる骋笔厂机能のついた「骋础搁惭滨狈」のランニングウォッチにアシックスのランニングシューズ。出张时ももちろんお供。

コーヒーミル&コーヒーメーカー

コーヒー好きな大嶋先生。ドイツの化学者が商品化した「颁贬贰惭贰齿」のハンドドリップ用コーヒーメーカーはフラスコのような外観が研究者心をくすぐるそう。ミルは「碍补濒颈迟补」製。

軽量メガネ&多机能ボールペン

「近视?乱视?远视全てをカバーしてくれて、つけているのも忘れているほど軽くて、ランの时も必须ですね」というメガネはスポーツタイプ。笔滨尝翱罢のフリクションボールは4色タイプを使用。「こすると消える…これも化学のなせる业!なんですよ」。

学生へのメッセージ

人と违うことによって、自分が生きてくる。
挑戦して、失败して、耻かいてなんぼです!

日本人は横并びが快适と思う人が多いですよね。また挑戦する前にリスクを恐れ、あきらめて楽な方向へ行く。今の时代の学生たちには特にそういった倾向がある気がします。しかし、人と违うことによって自分だけの価値が出てくる、ということにぜひ、気づいてほしいと思いますね。

大学、大学院は社会に出る前の最后の砦です。どんなに失败しても耻をかいても、责任を负うことはありません。むしろ失败することでどんどんたくましくなっていく。社会人になって失败はできません。歳をとって同じ失败を起こすのは本当の耻です。だから社会に出る準备期间である今、ガッツリ挑戦して、失败して、耻をかいてほしい。やらない前から「向いてない」はあり得ません。

そういった意识改革を学生のうちに行ってほしいですね。长い人生、学生时代の数年间で大きく人间は変わります。横并び意识からサッサと脱却し、自分で考えて行动する力を养ってください。やったらやった分だけ、必ずいつか自分に返ってきますから。

取材日(2018.10)

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